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沖縄の経済的自立に向けた仮想通貨の可能性(2018.5.1  古謝 愛彦会員)

 

1 はじめに

 「仮想通貨」というと、皆さんはどのようなイメージをお持ちだろうか。

  私はこれまで、「怪しい投機対象」といったイメージしかなかった。

  しかし、最近、仮想通貨について書かれた書籍を読んでいるうちに、さまざまな可能性を秘めていることに気づかされた。

  特に、私の出身である沖縄の経済的自立にもつながるというアイデアにも触れたので、多くの方に紹介したいと思い、コラムを執筆する。

 

2 仮想通貨って何?

  そもそも、仮想通貨って何だろう?

  野口悠紀雄著「入門ビットコインとブロックチェーン」で紹介された、電子マネーとの比較が分かりやすかった。

  それによれば、電子マネーは集中管理型。例えば、Suicaでは、JR東日本という企業が、各利用者の残高を管理している。

  これに対し、仮想通貨はブロックチェーンという、取引情報を記録する仕組みを利用した分散記録型。仮想通貨の場合は、利用者が直接に情報をブロックチェーンに送信することで取引されるのである。

  落合陽一著「日本再興戦略」でも「日本にはトークン(仮想通貨とほぼ同義)がたくさんある。TSUTAYAのTポイントカードもANAのマイレージも立派なトークン。日本はすでにトークンエコノミー先進国」と言及。電子マネーが普及している日本では、仮想通貨も受け入れられやすいのではないかと指摘されている。

 

3 ICOとは

  ICO(Initial Coin Offering)とは、株式市場におけるIPO(Initial Public Offering:新規株式公開)との対比で、仮想通貨による資金調達方法のことを指す。

  野口・前掲書によれば、ブロックチェーンを用いるため、コストを著しく低下させる(IPOのコストの10分の1程度)ことができるらしい。クラウドファンディングの発展形と考えると分かりやすい。

 

4 「沖縄トークン」「琉球コイン」による経済的自立

  以上を前提に、ようやく本題に入る。

  落合・前掲書には、沖縄県が沖縄トークンを発行する、というアイデアが記されている。以下、一部を引用する。

 

   地方自治を推進するときに、必ず問題になるのが財源です。・・・そこで新たな収入を生むカギになるのが、トークンエコノミーです。地方自治体そのものをトークン化して、ICOすればいいのです。わかりやすい例でいうと、沖縄県が沖縄トークンを発行すればいいのです。今、独立問題が起きているスペインのカタルーニャ州でも、ICOするという話が出ています。

   ICOすることで、地方自治体はお金を集めて、攻めの投資を行うことができるようになります。・・・トークンエコノミーとは、いわば、将来価値を現在価値に転換する仕組みです。沖縄トークンを例にすれば、「みなさんのお金を使って、沖縄をこんなふうにつくり変えて、こんなふうに経済を成長させます」という説得力のあるビジョンを描ければ、その期待に対してお金を集めることができるようになります。

   沖縄がICOすることになれば、観光の楽しみも増えて、ぜひお金を出したいと思う人は日本中にいるはずです。…トークンエコノミーが広がると、これから面白い開発が行われる自治体ほど、いいビジョンがある自治体ほど、お金が集まるのです。会社の株価と同じように、独自性のある、優れたビジョンと戦略と実行力がある自治体ほど株価が上がるのです。

   ・・・沖縄トークンのようなローカルごとの仮想通貨が生まれたり、沖縄トークンを使って起業する沖縄のすごい起業家が生まれてきたりすれば、シリコンバレーのプラットフォームにもドルにも円にも依存しない、新たなローカル経済圏を生むことができます。

 

  沖縄と仮想通貨とを結びつける考え方がとても面白いと思い、他に情報を探したところ、沖縄タイムス2017年4月17日記事「『琉球コイン(仮)』沖縄で構想 店舗決済・投資呼び込む狙い」が見つかった。

  この記事によれば、沖縄独自の仮想通貨「琉球コイン(仮称)をつくり、流通させる構想が県内外の企業や金融機関の間で検討されているとのことである。

  記事の続報や構想を裏付けるほかの情報は見つからなかったので、この構想がどこまで進んでいるのかは分からない。しかし、沖縄が仮想通貨を発行し、流通させれば、沖縄の経済的自立が一気に進むものと考える。

  これまで、沖縄が日本政府から米軍基地を押し付けられる際、いわゆる「アメとムチ」の両面で攻撃されてきた。これに対し、仮想通貨による経済的自立が進めば、「アメ」が効かなくなり、日本政府による米軍基地押し付けに対抗することができる。

  さらにいえば、「沖縄トークン」「琉球コイン」といった仮想通貨が、世界のウチナ―ンチュ(沖縄人)、中国・台湾や東南アジアからの観光客、投資家を始めとした世界各地の人々に受け入れられるようになれば、日本政府の意向にかかわらず、沖縄独自の立場で世界各地の人々と友好関係を結ぶことができる。

  近隣諸国との貿易で栄えた琉球王国の再興も夢ではないのかもしれない。

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